UL 規格の概要

UL 規格 というのはアメリカの民間機関Underwriters Laboratry が作った標準です。もともとは、損害保険会社が保険料率を算定するための安全性の 審査を目的に出発したのですが、その優れた運営により、アメリカの安全性に対する 標準の地位を確立し、多くの州がULが認定した製品のみ販売を認めること にしたため、アメリカに輸出する製品に必須の規格になっています。

ワイヤ・ケーブルに対するULの規格は、

の2種類があり、NEC というのはアメリカの National Electrical Code という、電力機器、電気設備の安全基準を定めた法律で、日本の電気用品取締法 と消防法の一部に相当します。この法律は強行規定ですから、ULNEC に規定された電線については、NEC の基準を満足するかどうかを審査 します。

NEC に含まれないワイヤ・ケーブルについては、UL 独自の基準に 基づいて、その安全性を審査することになりますが、新しいニーズが常に生まれます から、審査の基準も絶えず変化し追加されます。そのため、新しい分野については、 Subject 758 等の名前で、審査対象とする品目のカテゴリーを作って、申請 するメーカー独自の設計と製造能力を受け入れるかどうかの試験方法を開発すること になります。そして、その分野が成熟化して、業界標準ができると、UL 13 といった正式な規格を整備するといった運用になっています。

電子機器用のワイヤ・ケーブルというのは絶えず新しい設計がでてきますから、正式 な規格に含まれるものはごく僅かで、ほとんどは Subject 758 に含まれま すが、当初は、1芯の電線を 1000 番台、2芯以上の電線を 2000 番台というルール で、審査の受付順に一連番号を付けていました。似たような構造の電線は同じ番号に まとめるのですが、それでも品種が増える一方で、現在は、10000 と 20000 台の番 号を使っています。

Subject 758 の場合は、類似の構造を同じ番号にまとめて、導体の材料と サイズ、絶縁体やジャケットの材料と厚さ、ケーブルのおおざっぱな構造を指定する だけで、細部の構造を規定することはしませんから、同じ番号でも、いろいろな種類 の電線があります。このことを理解しておかないと、UL の番号を指定すれ ば、自分のほしい電線の種類を特定したことになると誤解しますので、注意してくだ さい。

このように UL の場合は、日本の官庁主導の規格と違って、標準化によっ て現状を維持するのではなく、産業や社会の変化や進歩に柔軟に対応できるような 運用になっている点が優れていますが、 独占の弊害か、最近は官僚的組織になってきました。

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